和尚と小さな地蔵さま

教え

山あいの静かな寺に、ひっそりと立つ小さな地蔵さまがいた
高さは子どもの胸ほどで、丸い顔に優しい微笑みを浮かべている
村の子どもたちは遊び帰りに必ず寄り道し
「ただいま」「今日ね、こんなことがあったよ」 と話しかけるのが日課だった

寺の和尚は その光景を見るのが大好きだった
「地蔵さまは、子どもたちの友だちじゃのう」 といつも目を細めていた

大雪の冬
ある年 村に何十年ぶりという大雪が降った
道はすっかり埋まり 子どもたちは寺に来られなくなった

地蔵さまは雪に埋もれ 頭だけがかろうじて見えている
和尚は毎朝 竹ぼうきで雪を払ってやりながらつぶやいた
「子どもたちが来られんで 寂しかろうなあ」
雪は降り続き 地蔵さまは何度も埋まった
それでも和尚は欠かさず雪を払い 時には手ぬぐいで顔をそっと拭いてやった

不思議な夢
ある夜 和尚は不思議な夢を見た
薄明るい月の下 地蔵さまが小さな子どもの姿になって現れたのだ
「和尚さま、いつも雪を払ってくれてありがとう」
そう言うと
子どもの姿の地蔵さまは 和尚の肩に積もった雪を ちょんちょんと払ってくれた
その手は小さくて温かく 和尚は胸がじんわりと熱くなるのを感じた

春の兆し
翌朝 和尚が地蔵さまの前に行くと
雪の中に小さな花が一輪だけ咲いていた

まだ春には早すぎる季節 村人たちも驚いて言った
「こんな時期に花が咲くなんて、地蔵さまのお礼じゃろう」
   和尚は静かに手を合わせた
   夢の中の温かい手の感触が 
   まだ肩に残っているようだった

伝えたいこと
思いやりは、必ずどこかで返ってくる
見返りを求めずに尽くす心は、誰かを温める
小さな存在にも魂が宿っています

コメント

  1. ザマ より:

    確認です‼️